U.各論1(ゴム版)

A.絵の準備
B.背景の彫り
C.各部の彫り
D.彫りのまとめ
E.摺り

   A.絵の準備

・原画の準備
 やっと、本格的に彫るわけです。
 このコーナー作るのも長いですが、読むのも大変ですね…。

 さて、まずは絵を準備しましょう。
 絵は別に何でも構いません。自分で描いたものでも、年賀状の版画本からとっても。
 ただ、あんまり細かいものだと、始めは大変かもしれません。

 今回準備したのは、落描き帳にあった絵。
 何を考えて描いたわけでもなく、よく分からない絵です。(元は拳銃とスタングレネード持ってました…)


・版画版への転写
 原画が出来たら、版画版へ写す必要があります。写し方は総論で解説したものをお使いください。

 私は今回鉛筆で絵をなぞり、
 版画版にテープで固定、
 上から擦って、転写しました。

 写し方で解説した「鉛筆転写」ですね。

 写真は写し終わったところです。


・ペン書きとマーク付け
 上記の転写方では、写った絵がちょっと見づらいので、ペンで清書しておきます。

 この時、油性ペンを使えば、滲む事も無く綺麗に描けます。
 ただ、細かいところはどうしても0.3〜0.4mmくらいのペンで描きたいものです。

 ゴム版の場合、ペンのインクが定着するのに一晩くらいかかりますし、定着しても手で擦ればすぐに消えるので、注意が必要です。

 あまり、細かい絵でないのなら、油性ペンを使うべきでしょう。


 この時に、同時にやっておきたいのが残す部分のマーク付けです。
 写真では背景と服に黒い斜線が入っているのが分かるかと思います。
 これが、残す部分です。

 それと、首の影、髪の影に赤でマークをしてあります。
 これは、
「完全に残すわけでも、完全に彫るわけでもない」
 という印で、三角刀などで影付けをする目安となります。