T.総論(彫る前に…)

A.「木版画・ゴム版画」って何?
B.ゴム版と木版
C.版下(原画)の写し方
D.彫刻刀の種類と使い方(1)
E.彫刻刀の種類と使い方(2)
F.摺りの道具

   A.「木版画・ゴム版画」って何?







 
 「版画」と一口に言っても、その種類は紙で作る紙版画から、技法を凝らしたシルクスクリーンなど…、様々です。

 そういった数ある版画の中で、紹介するのは、木版画とゴム版画です。特に凸版版画というもので、彫り残したところに色がつく版画です。

 小学校の図工の授業などでもやったりしますので、やったことがある方も多いかもしれません。

 なにしろ、小学生がやる版画ですから、非常にとっつきやすく、楽しい版画です。ですが、これを突き詰めていくと、素晴らしい風景画や、浮世絵といった作品にも繋がっていく、実は幅の広い版画なのです。

 その手順としては、
 絵を描いて、
 写して、
 彫って、
 摺る。
 …という、少々根気の要る作業です。

 でも、この手間があるからこそ、思い入れのある作品になりますし、多少絵が下手だろうと、彫り間違って線が消えようと、摺りでずれようと、味のある作品になるのだと思います。

 ですので、年賀状や手紙に思いを込めたいという方などにはオススメだと思いますし、美術作品としてもなかなか面白いと思います。