T.総論(彫る前に…)

A.「木版画・ゴム版画」って何?
B.ゴム版と木版
C.版下(原画)の写し方
D.彫刻刀の種類と使い方(1)
E.彫刻刀の種類と使い方(2)
F.摺りの道具

   D.彫刻刀の種類と使い方(1)


・怪我に注意
 彫刻刀は刃物です。正しく、丁寧に使わないと怪我をすることがあります。

すくなくとも、
・彫刻刀の前に手を出さない
・版画版をきちんと固定する

ということは守るようにしましょう。

他に、力を入れすぎないことも大切です。


・彫刻刀の種類
 左から平刀/切り出し刀/三角刀/丸刀/小丸刀の五種類を並べてみました。(写真が悪くてよく見えませんが…)

 普通に文房具屋で売っている彫刻刀で、1本300円くらい、5本1500円くらいです。


・三角刀
 まず、紹介するのが「三角刀」です。

 三角刀は細い線を彫りやすく、版画を始めるならば、まず、使って欲しい彫刻刀です。

 特に、ゴム版では輪郭から細部、光の表現など様々な場面で使うことが出来ます。

 <三角刀>
・ゴム版ではメインとして使う
・輪郭/細部などに使う
・細かく彫ることで金属や光の表現ができる
・それでいて「版画らしい柔らか味」がある


・丸刀/小丸刀
 次は、丸刀/小丸刀です。

 丸刀はゴム版・木版ともに使いやすく、やはり、初めての際には使って欲しい彫刻刀です。

 使いどころとしては、広い部分をさらうとき、柔らかい質感の部分を彫るときなどがメインです。

<丸刀/小丸刀>
・広い部分のさらい⇒背景
・柔らかい質感を出すとき
・ハガキサイズでは小丸刀が活躍


・三角刀/丸刀の持ち方
 持ち方は、基本的には鉛筆を持つ要領で良いと思います。彫るときには人差し指が彫刻刀の上面にあるように握りましょう。

 彫り方は、力を入れすぎると、板に深々と刺さってしまい、抜き刺しならなくなるので、気をつけましょう。
 また、角度はアバウトですが30度前後で十分ほれると思いますので、板と平行に彫刻刀を進めるイメージでもいいかもしれません。

<持ち方>
・基本は鉛筆と同様
・力を入れすぎず持つ
・角度を大きくしない